【超危険な人事評価】失敗or倒産するインセンティブ導入の落とし穴|失敗例も紹介

社員のモチベーション
インセンティブの危険性は危険?

インセンティブは使い方によっては離職率を増加させ、社内の成長を止めますが、正しいインセンティブ制度であれば効果的な施策になりえます。

インセンティブは従業員のモチベーションを上げ、一人一人に正当な評価を下すことができる優秀な人事評価制度ですが、そこには大きな落とし穴があります。

結論、それは評価基準を決定することがとても難しいということです。

なぜなら、会社ごとに売上の上げ方、売上計上の算出の仕方、従業員の実力、人数などの変数が多すぎて、他社を参考にできないからです。

今回はインセンティブ設計の失敗例を踏まえて、導入をしない方がいい会社の特徴を実例を踏まえて紹介していきます。

目次

インセンティブの5つの種類

インセンティブの種類

インセンティブといっても金銭的なものだけではなく、さまざまな種類があります。
ここからは代表的な5つの種類のインセンティブを紹介します。

  • 物質的インセンティブ
  • 評価的インセンティブ
  • 人的インセンティブ
  • 理念的インセンティブ
  • 自己実現的インセンティブ

物質的インセンティブ

物質的インセンティブとは、その人の働きや売り上げによって金銭的な報酬を与えることです。
最も一般的でインセンティブといえばこのイメージが強いでしょう。
これは現金だけではなく商品券やQUOカード、旅行券などもこれに当てはまります。

評価的インセンティブ

評価的インセンティブとは、その人の働きによって社内の評価を上げることです。
直接的に褒めるなども含まれますが、多くの場合は役職を与えることやポジションが上がるなどの地位的評価をすることが多いです。

働きによって明確に評価基準を決め、それに対して適正にインセンティブを与えることは社員のモチベーション維持にも繋がり、離職率の低下も期待できます。

人的インセンティブ

人的インセンティブとは、上司や先輩と良好な人間関係で築いてモチベーションを高めることです。
「上司みたいになりたい」「チームのために目標を達成しよう」などの心理状況が、人的インセンティブです。

理念的インセンティブ

理念的インセンティブとは、理念や価値観の共感などによってモチベーションを高めることです。

「この仕組みが世の中に広まればあの人たちが助かる」「社会に貢献する」などといった社会的な動機は働く人のモチベーションを高める効果があります。
そういった理念を明確にすることで、理念や価値観を共有する人が集められるので、今後の採用活動においても有利に進めることができます。

自己実現的インセンティブ

自己実現的インセンティブとは、その人の夢や理想の未来を実現させてあげることです。
夢や理想は人それぞれですが「新規プロジェクトをしたい」「キャリア形成のための研修を受けたい」などが当てはまります。

これはモチベーションの向上だけでなく、スキルや知識の向上も望めるので積極的に導入する価値は大きいです。

インセンティブとは?

インセンティブを直訳すると「報奨」「奨励」「刺激」といういみであり、一般的には社員や組織の意欲を引き出すために与える刺激のことをいいます。

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インセンティブ制度のメリット

インセンティブ制度のメリット

まずはインセンティブ制度を導入するメリットを解説します。

インセンティブ制度
メリット
  • 社員のモチベーションアップ
  • 適正な評価が下される
  • 成長圧がかかる
デメリット
  • 組織のチームワークが希薄になる
  • 業務の幅が狭まる

社員のモチベーションアップ

1つ目のメリットは社員のモチベーションが向上することです。
インセンティブ制度は成果を出せば、それに応じて報酬や待遇が良くなるため、社員の仕事へのモチベーションを上げることができます。

努力すれば成果が出る仕組みは自ずと作ることができるため、社員のモチベーションを上げたい企業にとっては有効な手段です。

適正な評価が下される

2つ目は適正な評価が下されることです。
インセンティブ制度は導入する前に、あらかじめ成果に対する評価を数字ベースで決めておくことが一般的です。

そのため社員1人ひとりの評価が定量的に表れ、正当な評価ができます。

成長圧がかかる

3つ目は成長圧がかかることです。
インセンティブ制度は成果に対して評価を下し、待遇を決める制度です。
逆に成果を出していない社員は待遇が次第に悪くなっていきます。

そのため、社員が成長せざるを得ない環境を常に作り続けることができ、制度として成長圧をかけられます。
言葉やコミュニケーションで成長を促すのではなく、会社の制度として行うことで人間関係の亀裂なども防げます。

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インセンティブ制度のデメリット

では、逆にインセンティブ制度のデメリットを解説していきます。

  • 組織のチームワークが希薄になる
  • 業務の幅が狭まる

組織のチームワークが希薄になる

まず1つ目は織のチームワークが狭まることです。
インセンティブ制度は基本的に、個人の成果に対して評価を下し、それに対してインセンティブが発生する制度です。

そのため、会社やチームなどのために動く動機が薄くなります。
動機や利得にならないのなら、組織のために動く意味がなくなってきてしまい、結果的にチームワークも希薄になります。

業務の幅が狭まる

2つ目は業務の幅が狭まることです。
インセンティブ制度を導入することで、そればかりに気を取られて業務全体の流れを掴みにくくなります。

そういったことを防ぐためには、インセンティブの中に会社全体の評価も個人評価に付け加える必要があります。

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インセンティブ制度を導入した失敗例

売上低下

まずはインセンティブ制度を導入した会社の失敗例を紹介していきます。

弊社の実際のクライアント様からの事例を上げていきます。
※会社情報保護の観点から会社名は伏せています。

  • 事例1|一部の社員しか適用されず退職者増加
  • 事例2|社員同士の協力がなくなる
  • 事例3|事業規模の縮小

事例1:一部の社員しか適用されず退職者増加

株式会社Aは、今年8期目の人材派遣会社で、営業職は7人。月間の売上は2千万弱。
社長である佐藤さん(仮名)は、利益は出ているものの社員の向上心がないことに危機感を感じていました。

そこで教育改善として社員のモチベーションを上げるべくインセンティブ制度を導入しました。佐藤さんは「頑張りに応じて給料が上がるから、社員はもっと頑張るはずだ」と考えていました。

しかし、結果的に売上は上がることはなく、ほぼ横這いの状態が続き、社員の給料も大きく変わることはありませんでした。

むしろ、営業部門は1年間の離職率が高くなるという結果になってしまいました。

事例2:社員同士の協力がなくなる

株式会社Bは、大手の自動車部品製造会社。従業員は正規・非正規を含めると200人を超えています。

今年度に新規事業を始めることを決めた経営者の田中さん(仮名)は、正規社員の生産性向上のためにランキング形式のインセンティブ制度を導入しました。

作業完了率が高い人ほど順位が上がっていき、順位ごとに特別賞与が出るという施策で、田中さんは「競争力に火をつけて切磋琢磨してほしい」という思いを抱き、新規事業をスタートさせました。

しかし、結果は散々たるものでした。

順位制度を設けたせいで従業員同士の情報共有がまったくされず、生産性が低下し、想定していた売上の2割減の成果しか得られませんでした。

翌年からインセンティブ制度を廃止し、非正規を動員して事業を立て直しました。

事例3:事業規模の縮小

株式会社Cは、地方の中堅不動産会社。創業20年の老舗で、支店も5店舗あります。

営業力で長年残り続けたC社の社長である鈴木さん(仮名)は、近々息子に実質的な経営を任せて自分は社長を引退しようと考えていました。

そこで年々減少している売上に危機感を感じ、急遽インセンティブ制度を導入して社員の士気を上げ、「この先もずっと残り続ける会社」を目指しました。

しかし、インセンティブ制度を導入した3ヶ月後には売上が1割減り、2年後には2つの支店を閉じることとなりました。結局、息子に会社を任せることはできずに1から新規開拓に奔走することになりました。

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インセンティブ導入の失敗理由は2つだけ

なぜ上記の3社はインセンティブ制度の導入に失敗してしまったのでしょうか?
理由は2つです。

  • インセンティブ制度が会社に合っていない
  • インセンティブ設計が間違っている

インセンティブ制度が会社に合っていない

理由の一つ目は、そもそも会社の営業体制に合っていないということです。
インセンティブ制度を導入して成功している会社は、どれも人に頼らない売上の上げ方をしています。

つまり、人事評価で社員のモチベーションを上げようと考えておらず、あくまでオプション的に制度を利用しているのです。

さらに成功する会社は、営業スクリプトやシステムを強化する方面に注力し、誰でも一定の売上が作り出せる仕組み作りをする努力をしています。
これからの時代は、一流の営業マンを作るのではなく、一定の成果を誰でも上げることのできる教育を作った会社が勝つ時代に突入しています。

インセンティブ設計が間違っている

理由の2つ目は、最初の設計が間違っており、売上が上がっても利益が残りにくい設計になってしまっていることです。

インセンティブの設計は難易度が高く、社員のモチベーション向上と会社の利益のバランスが非常に難しいです。

なぜなら、他社の人事評価が自社でも通用するわけではないためです。人員の配置や売上、経営状況などの様々な要素を加味して正確な判断をしなければいけません。

自社に合った正しい評価基準を作るためには、専門家やコンサルタント会社に依頼し、緻密に計算された設計を行わなければなりません。

インセンティブ制度の導入は覚悟をもって行う

計算

ここまでインセンティブの失敗事例や失敗理由を紹介してきましたが、もちろん成功事例やメリットなどもたくさんあります。

ここで伝えたいのは「会社のルールを変える」ことへの覚悟をもち、万全の準備をしなければならないということです。
安易な気持ちで始めると会社の経営を傾かせる原因になりかねませんので注意してください。

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なぜインセンティブ制度を導入するのか?

パレートの法則

では、なぜたくさんの会社がインセンティブ制度の導入を始めているのでしょうか?
考えられる理由は大きく分けて2つです。

  • 正確な評価ができない故の逃げの選択
  • 経営の中心が社員になっている

正確な評価ができない故の逃げの選択

1つ目は人事評価を正確にできておらず、面倒に感じている経営者が多いことです。
社員一人一人のタスクを管理し、会社への貢献度を測るのは相当な時間と労力を要します。

そのため売上だけに評価基準を置き、それ以外の評価を無くすことで面倒な判断をしなくてすむ「インセンティブ制度の導入」が採用されるのでしょう。

経営の中心が社員になっている

2つ目は経営の中心が社員になっていることです。
特定の社員が会社の核として存在しており、もしその社員に辞められると会社が立ち行かなくなる状況なので、その社員を優遇するためにインセンティブ制度を導入している会社も少なくありません。

実際に会社の8割の売上は2割の社員が作っていると言われています。

このような状況は仕方ないにしろ改善は必要でしょう。

残された方法は採用のみ

入職率・離職率の推移
引用:令和2年の入職と離職(厚生労働省)

もちろん、ポジティブな理由でインセンティブ制度を導入している会社もあります。ですが売上が伸び、離職率が下がるような明確な成功といえる事例は多くありません。

導入するだけではなく、導入後の成果ベースで判断することが重要です。

これからの人事評価

現代の日本では人事評価はそこまで意味をなさないのかもしれません。

それよりも会社を回すために多くの採用を実施し、会社に合わない人材を振るい落としていくことが、業務の効率化に直結するのではないでしょうか?

今一度、自社の人事評価の部分を見直してみてはいかがでしょうか?

採用に注力することが残された道

日本の平均離職率は年々上がり続けています。

これは転職のハードルが下がったことや、終身雇用の崩壊などの様々な要因がありますが、この先も上がり続けるでしょう。

その中で企業が出来ることは内部の制作で離職率を下げることはもちろんですが、最も有効な手段は採用に力を入れ続けることです。

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まとめ:インセンティブの導入より、採用に力を入れよう!

ここまでインセンティブについて解説してきましたが、ここ最近で社員の仕事への向き合い方は大きく変化しつつあります。そんな中で、そもそも採用活動でミスマッチが発生していては元も子もありません。

しかし「そんなにコストをかけて人材採用できない。」「いまさらそんなノウハウを身につける時間もない。」そんな悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。


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この記事を書いた人

木戸 涼介のアバター 木戸 涼介 住み込み求人専門家

求人営業として原稿作成・集客などを学び、「スミジョブ」「京栄くん」の運営に携わる。自社メディアのデータ分析・改善からコラム記事を書いてくれるフリーランスの管理・指示など幅広く業務を行っています。

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